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令和2年度浜松市歯科医師会市民公開講座

 令和2年11月1日(日)にプレスタワー17階 静岡新聞ホールに於いて、市民公開講座が開催されました。「食べる機能のアンチエイジンング」と題して、講師に松本歯科大学歯学部 地域連携歯科学講座教授 蓜島弘之先生をお招きして講演して頂きました。
 「長生きしたかったら口をきれいに!口を鍛えろ」というキーワードをもとに始まりました。現在、日本人の死因別死亡率の上位に肺炎(誤嚥性肺炎)があります。残念ですが、主な要因として口の不健康がもたらす結果です。不健康から健康へ導くために知っておくべき知識として、日常の口腔ケア、歯科医師の介入によるプロフェッショナルケア、誤嚥性肺炎と嚥下障害の関係、食物の物性の感知について、摂食嚥下のメカニズムなどをわかりやすくご解説いただきました。
誤嚥への対処法として、食べる時の姿勢、食形態に気を付けるといった話、嚥下障害の検査法の話が出ましたが、リハビリテーションや訓練法、サルコペニアに対する対応に来場者は熱心に聞き入っていました。
 さらに講演では、口腔機能低下・摂食嚥下リハビリテーション方法において、松歯式3点セット(舌骨上筋群強化・プッシング訓練・前舌保持嚥下)、嚥下関連筋基本訓練の「AIUBE体操」などを示し、食内容指導では、とろみをつけることは有効であるが、とろみをつけるだけではなく、食べ慣れたとろみのあるものを選択することの大切さが、口から食べ続けられることによる健康維持や幸福度の向上に繋がるという考えも示されました。
 最近では、フレイルやサルコペニアといった言葉も当たり前のように目にするようになりましたが、
歯科医師としてその定義や対応法を知っておくことは必須となりつつあります。
口をきれいに維持し、口を鍛えることでフレイルやサルコペニアを予防し、健康寿命の延伸に繋がっていくかを理解できた講演でした。