歯科医師会からのお知らせのページです

中日新聞 コラム 第12回

子どものお口の健康①

広報部 本目 恵子

乳歯が生える頃の食の支援は重要で、乳幼児時期に身に付ける食行動が将来の全身の健康に大きく影響します。初めての歯科健診となる1歳6か月の頃は、離乳食は完了期に近づいていて咀嚼機能(食べる・飲み込む)はすでに獲得されつつあります。0歳から3歳までは体もお口も劇的に成長します。その時期に成長に合わせた食事のステップがとても大切です。最近の子どもたちはアトピー、アレルギー性鼻炎、花粉症、口呼吸、猫背、舌足らずな発音、うまく食事ができない(丸のみ、水分での流し込み、吐き出す、噛まない、いつまでも噛んでいる)が多く見られます。これはお口の機能が正しく発達していない為、引き起こされたと考えられます。食べる機能の始めは「飲む」事です。赤ちゃんは生まれてすぐに舌で乳首をしごいて乳汁を出し、飲み込みます。
このことで顎やお口の機能は成長します。離乳食を進めることは、乳汁以外の固形物を食べられるようになる為に、ひとつひとつのステップを踏んで学習していく過程です。「食べる行為」は自然に身に付くものではなく教わることです。この離乳食のステップが早かったり、与え方を間違うと様々な全身症状を引き起こしますので、離乳食は月齢で進めるのではなく、赤ちゃんの食べる様子や歯の生え具合、口の動きを見ながらじっくりと進めましょう。

中日新聞 コラム 第11回

インプラント②

喜田 賢司理事

インプラント治療を受ける大半の患者さんは虫歯や歯周病によって歯を無くした方で、年配の方が多くなります。高血圧や心臓疾患、糖尿病、骨粗しょう症などの病気を持っていると治療できないこともあります。治療には健康状態を正確に伝えていただくことが大切です。また歯周病治療を行っていない患者さん、喫煙者のインプラント残存率は低下するといわれています。
治療は、インプラントを埋めたあと頭を出したままにする方法、一度歯肉をかぶせて一定期間おいた後に頭を出す方法があります。どちらも骨と安定した結合を得るために期間をおき、義歯を作製して装着します。しかし、インプラントは天然の歯と違い、粘膜との結合が弱く、細菌に感染するとインプラントが抜けてしまうこともあり、埋め込んだら一生持つというものではありません。したがって、歯ブラシやその他の器具を使った患者さん自身による毎日の口腔清掃が極めて重要です。さらに治療後の良好な状態を維持するためには、しっかりした定期的なメンテナンスが必要です。
インプラント治療は特殊なケースを除いて健康保険が適用できず、全額患者さん負担の自費診療となります。全ての治療が終了するまでの費用を事前に把握しておくべきでしょう。磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影(CT)に支障がないかと質問を受けます。撮影部分によって一部影響が出るケースもあり、担当医師と相談することが大切です。
 

中日新聞 コラム 第10回

インプラント①

喜田 賢司理事

インプラントは、歯が無くなったアゴの骨に人工歯根を埋め込み、その上に義歯を付けることで無くなった歯の代わりを担うものです。現在の主流はチタン製で骨と結合するようになっているため、義歯がしっかりと固定できます。咬合力も強く臨床成績はかなり上がっています。
虫歯や歯周病あるいは外傷(事故)で歯を失うことがあります。また、先天的に歯が足りないこともあります。インプラントはそのような場合に、嚙む機能を回復する治療法の一つです。一本の無くなった歯から、すべての歯を無くした場合まで治療が可能です。広範囲で歯がない場合にはインプラントを入れその上に歯を付けることもできます。
仮に数本歯のない部分を補うとしたら、部分入れ歯や前後の歯を削って入れるブリッジと呼ばれるものがあります。この場合は何でもない歯を削ることもあり、残った歯に負担をかけることになります。インプラントは残った歯に負担をかけず噛むことができる治療法です。
ただ、インプラントは手術によって埋め込みます。したがって全身的な問題があると手術が受けられない場合があります。また、インプラントが骨と結合するまでの期間、その後の義歯の製作や装着などに時間が掛かったり、治療費用も比較的高くなります。さらに歯のないところに全て埋めることができるわけではなく、アゴの骨の量によっては難しいこともあります。

中日新聞 コラム 第9回

障害者歯科健診 幼少期から虫歯予防を

志村 延亮理事

浜松市歯科医師会では市と連携してさまざまな歯科健診事業を行っていますが、十分に利用されていないのが実情です。その理由の一つに、虫歯はたいした病気ではないので痛みが我慢できないので痛みが我慢できなくなったら受診しよう、と考えられているのが原因かもしれません。
ところが社会生活に適応困難で、さらに知的や発達の遅れのある人にとって歯科受診を遅らせることは、本人と歯科医師の双方に良くありません。 治療自体を難しくさせたり、複雑化させたりして、長期間にわたる可能性が出てきます。
特に幼少期に障害がある子供の親は、わが子の所具合を受け入れる心の葛藤や命を守ることで精いっぱいでしょう。 疾病の治療や発達の訓練など幾多の療育も続きます。その上で、歯のことまでお願いするのは酷なことかもしれませんが、ぜひ歯に関心を持ってください。食べることは成長の手段です。どうか一歳六ヵ月児、二歳児、三歳児での健康診断を受けてください。歯については、過保護になっても一向に構いません。親子で定期健診を受けていただき、そこで日常の歯のケアを覚えてください。
乳歯が生まれて、生え替わるまでのドラマチックな成長の過程を、本人や家族、歯科医師の三者で見守り、大人になってからもその習慣(定期健診)を持続させましょう。そのためにも気軽に通えるかかりつけ歯科医師を見つけてください。そうすれば、虫歯という後天性障害も、きっと予防できます。

中日新聞 コラム 第8回

歯科訪問診療

龍口 幹雄理事

歯科訪問診療についてご存知ですか?
これから迎える超高齢社会において在宅療養している方が日常の中で、安心して快適な生活を過ごすことが必要です。
例えば、入れ歯の調子が悪いのに歯科医院まで通院することができないため、我慢して調子の悪い入れ歯で食事をしている。
これでは食事量が減り低栄養の原因となってしまい、快適な療養生活を送ることはできません。
歯科訪問診療とは、精神的、身体的な理由によって歯科医院へ通院することが困難な方のために歯科医師が患者さんのところに出向いて行う歯科診療のことです。
在宅で療養している方が入れ歯を紛失してしまった場合でも歯科訪問診療で入れ歯を作ることができます。
入れ歯が壊れてしまった場合など、壊れた入れ歯を捨ててしまう場合がありますが、歯科訪問診療で修理することも可能な場合があります。
また、虫歯の治療や入れ歯の調整だけでなく、歯科衛生士が訪問してブラッシングなどの口の中の清掃指導やおいしく食べることができるように口の機能を維持し、向上させるための口の体操の仕方などを指導することも行います。

ただし、歯科訪問診療には限界があることも知っておいてください。歯科訪問診療では照明設備も不十分ですし、診療機材や薬品の関係もあり、歯科診療室で行う診療のように全ての処置を行うことができるわけではありません。
治療の内容やお体の状態によっては、通院での歯科診療や入院施設のある大きな病院での治療の方が適切なこともありますので、ご理解ください。
通院できないからと治療をあきらめてしまわずにまずはかかりつけ歯科医院にご相談ください。

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