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中日新聞 コラム 第12回

子どものお口の健康①

広報部 本目 恵子

乳歯が生える頃の食の支援は重要で、乳幼児時期に身に付ける食行動が将来の全身の健康に大きく影響します。初めての歯科健診となる1歳6か月の頃は、離乳食は完了期に近づいていて咀嚼機能(食べる・飲み込む)はすでに獲得されつつあります。0歳から3歳までは体もお口も劇的に成長します。その時期に成長に合わせた食事のステップがとても大切です。最近の子どもたちはアトピー、アレルギー性鼻炎、花粉症、口呼吸、猫背、舌足らずな発音、うまく食事ができない(丸のみ、水分での流し込み、吐き出す、噛まない、いつまでも噛んでいる)が多く見られます。これはお口の機能が正しく発達していない為、引き起こされたと考えられます。食べる機能の始めは「飲む」事です。赤ちゃんは生まれてすぐに舌で乳首をしごいて乳汁を出し、飲み込みます。
このことで顎やお口の機能は成長します。離乳食を進めることは、乳汁以外の固形物を食べられるようになる為に、ひとつひとつのステップを踏んで学習していく過程です。「食べる行為」は自然に身に付くものではなく教わることです。この離乳食のステップが早かったり、与え方を間違うと様々な全身症状を引き起こしますので、離乳食は月齢で進めるのではなく、赤ちゃんの食べる様子や歯の生え具合、口の動きを見ながらじっくりと進めましょう。