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中日新聞 コラム 第11回

インプラント②

喜田 賢司理事

インプラント治療を受ける大半の患者さんは虫歯や歯周病によって歯を無くした方で、年配の方が多くなります。高血圧や心臓疾患、糖尿病、骨粗しょう症などの病気を持っていると治療できないこともあります。治療には健康状態を正確に伝えていただくことが大切です。また歯周病治療を行っていない患者さん、喫煙者のインプラント残存率は低下するといわれています。
治療は、インプラントを埋めたあと頭を出したままにする方法、一度歯肉をかぶせて一定期間おいた後に頭を出す方法があります。どちらも骨と安定した結合を得るために期間をおき、義歯を作製して装着します。しかし、インプラントは天然の歯と違い、粘膜との結合が弱く、細菌に感染するとインプラントが抜けてしまうこともあり、埋め込んだら一生持つというものではありません。したがって、歯ブラシやその他の器具を使った患者さん自身による毎日の口腔清掃が極めて重要です。さらに治療後の良好な状態を維持するためには、しっかりした定期的なメンテナンスが必要です。
インプラント治療は特殊なケースを除いて健康保険が適用できず、全額患者さん負担の自費診療となります。全ての治療が終了するまでの費用を事前に把握しておくべきでしょう。磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影(CT)に支障がないかと質問を受けます。撮影部分によって一部影響が出るケースもあり、担当医師と相談することが大切です。