令和4年2月27日(日)~3月6日(日)に 地域歯科保健推進研修会を開催致します。
健康日本21の基本方針において、「歯の喪失防止の目標値を示すとともに、歯の喪失原因の約9割がう蝕と歯周病で占められていることから、各ライフステージに応じた適切なう蝕・歯周病予防を推進することが重要であるため、幼児期と学齢期のう蝕予防および成人期の歯周病予防の各項目について目標を設定する。」とされています。
すべてのライフステージでむし歯、歯周病等の予防および治療が必要性とされていますが、今回は、乳幼児期、成人、高齢期の各ライフステージ及び特に配慮が必要な人に分けて、それぞれの分野の先生方からの貴重な映像を収録いたしました。
日常臨床のポイントはココ!
各分野でご活躍中の先生方からのアドバイスをご覧ください。
○母子歯科保健
本目恵子先生
Mai 子どもデンタル・ルーム 院長
・演題
「かむ・噛む ”噛める”事を歯援しましょう!!」
― 口腔の子育て ―
・抄録
歯科関係者が乳幼児に関わる時期は、1歳6か月児歯科健診です。この時期は離乳食完了時期で、食べるという行為の基盤は出来上がってきています。妊婦さんから乳幼児に関わる多職種で、知識を共有し子どもたちの正しい口腔機能の発達の支援をしませんか?
○成人歯科保健
五味一博先生
鶴見大学歯学部歯周病学講座教授
・演題
「今さら聞けない歯周病治療」
― 検査から歯周基本治療まで ―
・抄録
8020運動の成果により、抜歯に至る歯の数は激減している。その一方で歯周病を有する歯の数は減少していないのが実情である。口腔内には歯周病の病因となるリスクファクターを示す所見が存在する。これらの所見からリスクファクターを抽出できることは歯周治療を成功させる上で必須であり、これに従って適切な歯周基本治療を行うことが重要である。本講演では口腔内に認められる歯周病に関わる所見について説明するとともに、歯周病は細菌感染症であるという観点から効果的に抗菌薬を用いて歯周治療法である歯周薬物療法についても説明したいと思います。
○在宅歯科保健
大野友久先生
浜松市リハビリテーション病院 歯科部長
・演題
「高齢者の口腔管理と関連する考え方」
― フレイル・サルコペニア・オーラルフレイル・口腔機能低下症 ―
・抄録
「人生100年時代」と言われるほど、超高齢社会を迎えた日本ですが、要介護者の増加が社会問題となっており、高齢者の口腔に関わる様々な問題は、全身の機能低下を引き起こす可能性があります。口腔機能低下症をはじめ、私たち歯科医療従事者がチェアサイドで行う対応が、地域でどの様に貢献できるか、皆さんと考えていきたいと思います。
○特殊歯科保健
伊藤梓先生
浜松市口腔保健医療センター 所長
・演題
「医療的ケアが必要な方の口腔管理について」
― 医療的ケア児についての基礎知識 ―
・抄録
医療の発達と共に、以前は在宅での生活が困難であった医療的ケアが必要な方が地域での生活ができる時代になってきました。医療的ケアが必要な方はその特性からさまざまな口腔の問題が起きることがあります。多職種で連携をしながら、口腔管理を行なっていくことは非常に重要です。医療的ケアが必要な方の口腔管理について情報共有できればと思います。