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中日新聞 コラム 第2回

プロのケア受けて

浅井浩志理事

妊娠7週目、つまり妊娠に気付いた時にはすでに胎児の大きさは体長十ミリぐらいあり最初の乳歯の芽ができはじめます。
妊娠十週目では二十本すべての乳歯の芽ができています。
これらの芽は妊娠四カ月のころにはカルシウムを沈着し、石灰化が進みます。
また「六歳臼歯」とも呼ばれる一生使う第一大臼歯もでき始めます。
昔から「子供を一人生産むと一本歯を失う」と言われていますが、妊娠すると赤ちゃんにカルシウムを取られて歯が弱くなるということはありません。
確かに妊娠中の十カ月間は女性ホルモンの影響により歯肉炎が起こりやすくなります。
また、つわりのため食べ物の好みが変わり、食事回数の増加やつまみ食いが増えます。
歯磨きも気持ち悪くて思うようにできず、口の中が不潔になるため、虫歯や歯周病が起こりやすい環境になっています。
この時期には小さめの歯ブラシを使い、体調の良い時間を選び、顔を下に向け、奥から掻き出すようにして歯磨きをするとよいでしょう。
子供の虫歯菌の由来は母親である可能性が高いので、生まれてくる赤ちゃんのためにも早めに妊婦歯科健診を受け、必要があれば虫歯を治療して口腔内の虫歯菌の数を減らしておきましょう。
できれば、歯科医院でプロフェッショナルケアを受けることが大切です。
また、子供に虫歯菌が感染して定着する時期は、一歳七カ月から二歳七カ月のため、この時期の食べ物の口移しやスプーンなどの食具の共有も控えましょう。