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平成30年度 オーラルフレイル研修会

めざそう!健康長寿のまち浜松 ―元気なお口は宝ものー
日時:平成31年2月24日(日) 13:30~16:30
場所:えんてつホール(遠鉄百貨店8F)
   
講演Ⅰ 演題「なぜ老いる?ならば上手に老いるには
~健康長寿 鍵は“フレイル・オーラルフレイル”予防」
講師 東京大学高齢社会総合研究機構 教授 飯島 勝矢先生

 

講演Ⅱ 演題「知って得するオーラルフレイル・口腔機能低下症への対応」
講師 東京健康長寿医療センター社会科学系専門副部長 渡邊 裕先生


 静岡県歯科医師会、浜松市歯科医師会の共催にて、市民の皆様に「フレイル」「オーラルフレイル」への理解を促進してもらうため標記の研修会が開催されました。
今回、市民の皆様、歯科医師会会員、その他合わせ232名の多くの方々にご参加いただきました。

 第1講演の飯島先生には「フレイル」という概念、なぜフレイルになるのか、予防するにはどうすればいいのかなど一連のお話をしていただきました。正しい情報を伝えるだけでは、「そんなことはわかってる」と言われてしまう、心に響かせて行動に移させることが大事とおっしゃっていたのが印象的でした。そのためには科学的根拠に基づいて訴えかけないといけないと言います。講演の途中、科学的根拠に基づいて先生が考案されたというフレイルチェック表を会場の皆さんと一緒に埋めていきました。実際に実施されるこのフレイルチェックは、専門家のいないところでフレイルサポーターが20人程度を対象に行うそうで、その様子を動画で見せていただきました。フレイルは身体的フレイル、社会的フレイル、心理的フレイルが複雑に連鎖していると言います。また、フレイル予防には「人とのつながり」が重要で、ある調査では身体活動はしてるが文化活動、地域活動はしてない人より、身体活動はしてないが文化活動、地域活動をしてる人の方がフレイルに対するリスクは低いという結果だったそうです。

 第2講演の渡邊先生には、フレイルの手前のプレフレイルであるオーラルフレイルについてお話いただきました。これからの歯科医師は、むし歯、歯周病を診るだけではなく、口腔機能の低下を診ていくと紹介されました。フレイリティサイクルにおいて、その起点は摂取量の低下、食欲低下と述べられ、食欲がなくなると低栄養となり体重減少、筋肉の減少(サルコペニア)となり、また食欲低下へと負のサイクルに陥ります。つまり、口腔機能の低下がフレイル発症に影響していることから、フレイル予防には口腔機能の低下を見つける事が大切といえます。その他、定期的に歯科を受診している人は脳梗塞発症のリスクが25%減少する、義歯を装着してる人は、義歯をしていない人より認知症になりにくい等のお話がありました。また、口の健康は社会性にも大きく影響するため、口の問題を放置することは急速にフレイルに陥いる原因となってしまいます。


 講習会に参加された皆様におかれましては、フレイルに陥ってしまう入口は、お口の衰えから始まることを肝に銘じて、健康な生活を持続していただければと思っています。本日はご参加ありがとうございました。