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2018.02.12 オーラルフレイル研修会が開催されました。

オーラルフレイル研修会
「めざそう!健康長寿」 ~知っておきたい オーラルフレイル~

平成30年2月12日(月)13:30から、遠鉄百貨店8階えんてつホールにて静岡県歯科医師会・浜松市歯科医師会主催、浜松市後援によりオーラルフレイル研修会が開かれました。
講師に、同志社大学スポーツ健康科学部助教 渡邊裕也先生、日本歯科大学教授・口腔リハビリテーション多摩クリニック院長 菊谷武先生のお二人の先生をお迎えしました。
渡邊先生には「初めの一手 フレイルを知ろう」、菊谷先生には「知っていますか?オーラルフレイル ~元気のもとは、お口から~」の演題にて2部構成でご講演頂きました。
当日、会場には、歯科医師、歯科衛生、看護師、介護関係者、一般市民の方合わせて250 名程が参加され、フレイル(オーラルフレイル)について学びました。フレイルとは「虚弱」を意味する英語のFrailty(フレイルティ)に由来する造語で、平成26年、日本老年医学会より「衰弱」や「虚弱」に代わる新たな用語として提案されました。フレイルは、健常者と要介護の中間的過程を指します。
健康寿命を延ばすためには、要介護の陥ってしまう前の段階、フレイル予防が大切になってきます。渡邊先生には、日本における現在の高齢者の人口比率、将来予測される要支援、要介護者数の推移などの解説と共に、何が原因で要介護になってしまったのか、また、フレイルにならないための予防法に至るまでお話しいただきました。フレイルは可逆的なものであり、いかに早く見つけ出して要介護にならないようにすることが大切です。加齢によって筋力が衰えること(サルコぺニア)がフレイルの中核をなすため、予防の為の具体的な筋力アップの方法についても教えて頂きました。
菊谷先生には、特に口腔機能のフレイル、オーラルフレイル(口腔の虚弱)についてお話しいただきました。誤嚥、窒息は喉の問題ではなく咀嚼機能の低下が原因。認知症になる割合は咬合維持者も義歯等で咬合を回復した人も変わらず、放置した人は1.8倍リスクが高まる。また、咬合支持の存在は運動能力を高め、転倒予防になる。舌圧が一定以下になるとADLの低下を招く。現状では歯の数が多いほど細菌数は多くなっているが、口腔ケア次第では改善できる。歯だけでなく口蓋、顎、唾液等の問題を解決し、口の構成要素がいかにうまく機能させるかが大切。(歯がいくら残っていても噛めない人がいるという事。)上手く嚥下するにはパワーとタイミングが大切(機能訓練、食べ物への工夫)等、多岐にわたりお話しいただきました。
また、会場の後方のブースでは、器材を使用してのオーラルフレイルチェックも実施されました。