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中日新聞 コラム 第7回

誤嚥性肺炎と口腔ケア

龍口 幹雄理事

厚生労働省の2013年度調査で、日本人の死亡原因の第3位は肺炎です。高齢者の肺炎のほとんどが誤嚥性肺炎と言われていますが、高齢化が進めばさらに罹患率が増えると見込まれています。
食物や唾液などが気管に入り込んで起こり、一度引き起こすと何度も繰り返すため治療が難しい。時には口の中の細菌が原因にもなります。健常者でも口の中の歯垢1㍉㌘中には、1億以上の細菌が生息すると言われています。歯みがきせずに口の中を不潔にすると細菌が爆発的に増え、唾液と混ざって口臭の原因にもなります。高齢者は薬の副作用や全身疾患の影響で口の中が乾燥しやすいため、さらに汚れをひどくしてしまいます。
夜間には唾液が知らず知らずのうちに気管に誤って入りこむことがあり、むせない誤嚥とも言われています。この現象は高齢になるほど多く見られ、誤嚥性肺炎の原因のひとつです。そのため寝る前の歯みがきがとても大切です。健康者は抵抗力が強いため、多少の唾液を誤嚥しても問題にはなりませんが、寝たきりや麻痺がある人は口腔ケアが上手にできないだけでなく、飲み込みの障害(嚥下障害)がみられ、より誤嚥性肺炎が重篤化しやすいです。
口腔ケアをすることは手や脳のリハビリにもなります。口の中の汚れを取り除くと刺激によって唾液の分泌を促進し、口の中を清潔に保つことが誤嚥性肺炎の予防に有効です。高齢者や要介護者の口腔ケアは虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、肺炎の予防にも有効です。

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